映画「最後の忠臣蔵」
今日は赤穂藩主浅野内匠頭の元家臣が吉良上野介の屋敷に討ち入りの日ということで、シネマコンプレックスで「最後の忠臣蔵」の試写会があった。
予告編を見た印象では、本編ではなくてもDVDがでてもいいかなと思っていたので、試写会の当選通知があってもそれほど嬉しくなかった。
もったいないので見にいったが、これがなかなか良い映画で、変な先入観を持っていなければよかった。原作は池宮彰一郎さんの「最後の忠臣蔵」。
大石内蔵助の遺児の娘を育て上げ、嫁に出す大石家の用人のドラマで、用人瀬尾孫左衛門を役所広司が演じている。
途中から、浄瑠璃「曽根崎心中」のお初徳兵衛の道行きの場面がオーバーラップしているのが不思議だったけれど、最後にその理由がわかるようになっていて、なかなか深い。
大事に育て上げた娘可音は、いつしか孫左衛門に恋心を抱き、孫左衛門も愛情を感じていたけれど、もちろん主従の関係でもあり、決してかなわぬものだったはず。
娘に京の豪商へ嫁ぐ縁談が起こり、その中で娘が大石内蔵助の遺児ということがはっきりする。娘は、立場をわきまえ自分を殺し、嫁ぐことを決心して、嫁いで行く。嫁入りが無事済んだあと、孫左衛門は娘と暮らした家の仏間で切腹して果てる。孫左衛門は心の中で、娘と心中したということになるのだ。それで、浄瑠璃の心中ものが舞台回しになっているということだろう。
可音役の桜庭ななみは、なんともたおやかで凛とした娘を好演している。ブレークするのではないだろうか。夕霧太夫役の安田成美は、良い女になったものだ。
やはり気になったのは、自然考証で秋の枯れ野にヨタカの声はないだろう。効果音としては、物悲しいくて、長く鳴く声としてヨタカの声を使ったのだろうけれど、ヨタカは夏鳥で鳴き声を聞くことはできない。ギリギリ譲ってトラツグミだと我慢できる。
浄瑠璃の義太夫は、永六輔のラジオ番組で良く聞く声で豊竹咲太夫と直ぐに判った。
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