映画「大鹿村騒動記」
7月19日に大腸がんと肺炎で亡くなった原田芳雄遺作となった、主演の映画「大鹿村騒動記」を、タイミングがよかったので、土浦まで見に行ってきた。
長野県下伊那郡の実在する大鹿村を舞台に繰り広げられる人間喜劇なのだけれど、何か考えさせられた。
大鹿村に江戸時代から継承されている村歌舞伎の公演に向けて練習している風祭善ところに、18年前に駆け落ちした妻が認知症になって帰ってきたことから、いろいろなことが起きる。
三国連太郎、佐藤浩市、岸部一徳、石橋蓮司、松たか子などキャストも良い。
村芝居の雰囲気も満点、斑惚けの逃げた妻と夫の掛け合いも不思議。
この映画を見ていると、日本社会は、本当に地方から崩壊してきていることがよく判る。日本の都会は反映しているように見えている。しかし、実際は都会は自立できずに、昔から国内の地方によって維持されてきたのだけれど、今は発展途上国を地方として利用することになってきている。
その結果、日本の地方は存在意義が無くなってしまい、衰退する一方になってしまった。福島第一原発に見られるように、電力のように持ち運びできないものや、危険なものは依然国内の地方を利用しているだけだ。
地方は、工場立地などができないことから、観光で生き残りをはかろうとしているけれど、至る所同じことを考えているので、うまくいかないだろう。
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