映画「おじいさんと草原の小学校」
ケニアであった実話を題材にした映画「おじいさんと草原の小学校」を見てきた。
ケニア独立運動に参加して、妻と二人の子を惨殺され、自らも拷問を受けて片耳が聞こえず、足のつま先も切断された84歳の老人が、自分のところに来た手紙を自分で読みたいからということで、小学校に通い始めるという物語。
何度も入学を拒否されて、それでも勉強したいと学校に行く場面は執念を感じる。小学校の女性校長が素晴らしい。
所々で、老人の記憶がフラッシュバックして、家族の記憶、イギリスの植民地支配の酷さが描写されている。
独立後、時間が経っても、民族を分断して統治した名残の民族間の対立などを折り込みながら物語は展開する。
学びたいというマルゲ老人の強い気持ちが、教師を動かし、子供達に感動を与え、ついには政府までも動かした/
何歳になっても学びたいということの大切さを教えてくれる。84歳の小学生はギネスに記録されているということだ。
植民地政策は、あらゆるものを奪い、何も残さなかったので、学校だけでなく、あらゆるインフラがない状態から、国を作らなければならなかったアフリカの現状をかいま見ることができる。
ヨーロッパの国々は、植民地を収奪することで繁栄してきたけれど、ただに近い資源が手に入らなくなって、その蓄積も無くなってきたことで、衰退し始めていると考えることができる。
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