切り餅裁判の控訴審で越後製菓が完全勝訴
今日は旧暦3月1日(弥生朔日)。
今朝は霜が降りていたけれど、ようやくボケの花が開き始めた。
切り餅を奇麗に焼くことのできる越後製菓の特許「ふっくらカット」を佐藤食品工業が侵害したという民事訴訟の控訴審の判決が知財高裁であった。
結果は判っていたけれど、原告の越後製菓が勝訴した。判決は、佐藤食品工業の当該特許を使った切り餅の製造禁止と約8億円の賠償、さらに判決確定前でも強制執行が可能になる仮執行も認め、製造装置の廃棄も命じた。もちろん佐藤食品工業は控訴するようだ。
越後製菓の特許は、切り餅の側面に切り込みを入れたもので、佐藤食品工業は側面と上下の面に切り込みを入れて特許を侵害していないと主張していた。
側面に切り込みを入れなければ、上下面の切り込みだけでは餅が奇麗に焼けないので、特許侵害は明らかだった。
越後製菓の切り餅「ふっくら名人」を焼いた時に、あまりにも奇麗に焼けるので感動したことがある。
越後製菓の工場には、食品の高圧処理技術を見に一度行ったことがあって、その時山﨑彬会長に会って話をきいた。「経済産業大臣賞」、「文部科学大臣賞」、日本食品科学工学会「技術賞」など多くの賞受賞して、会長は長岡技術大学から「高圧処理による食品加工とコメ加工産業への利用」の論文で工学博士号も授与されている。
| 固定リンク
コメント
キタキツネさん、越後製菓さん、
他の知財関係サイトでも、経緯を確認しました。
iPadの意匠係争とか、他の係争でも、
”わが社は、特許公開前に同様のものをつくっていた”とか
”世の中に公知の事実である”とかの抗弁が目立ちます。
モラルが低下しているのだと、切に感じます。
投稿: かんてつ | 2012/03/25 16:24
かんてつさん
売れると、知財を調べて直ぐまねするという風潮は良くないと思います。
投稿: きたきつね | 2012/03/25 23:36