特撮博物館を堪能
食事の後、開催中の「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」を見に地下鉄に乗って東京都立現代美術館に向った。
都立現代美術館は「借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展」以来二度目になる。
予想通り、ピークは過ぎたようで、会場は混雑はしていたがゆっくりと詳細に見ることができた。
展示としては、円谷監督を始め日本映画の特撮技術の集大成といってもいいだろう。これまで、メーキングで断片的な情報はあったけれど、実際に映画に使われた模型などが展示されることがなかったので画期的な展覧会だと思う。
実物の持つ情報の多さは、雑誌や書籍で見る写真など問題にならない。普通の展覧会は1時間半くらいで見終わるのだけれど、見所が多く3時間近く滞在してしまった。
最近の映画はCGばかりで、確かに映像としては美しいけれど、特撮で育ったきたきつね達には架空の映像という感じがある。今回、デジタル化の波の中で失われようとしている特撮の技と散逸、廃棄の危機に瀕しているミニチュアや小道具類を集めて展示することで、その意味と関係者の魂を伝えようとしているのだと思う。
モスラ、ゴジラ、ウルトラマンなど初期の作品から見ていて、ミニュチュアを使った特撮に非常に興味があったので、嬉しくて、嬉しくてスキップしていたのではないかと心配になってしまった。
展示物は、良く残っていたものだと思わせるものばかりで、どこかで保存できないものだろうか。それが社会の責任と余裕だと思う。
この特別展のために作られた「巨神兵東京に現わる」とそのメーキングビデオ、絵コンテ、撮影に使われた実物の模型などがリンクして展示されているので、大感動。
巨神兵のキノコ雲のミニュチュアは良くできている。
メーキングビデオを見ながら、特撮技術者のアイデアと技術に感心することしきりだった。
壊すことに特化したミニチュアというのもあるし、ミニチュアをいかに本物らしく撮影するかという技術はすばらしい。特に、巨神兵を動かす方法は興味深い。
デジタルだと簡単にできることも、クロマキーで撮影してアナログで画像合成するプロセスを使ったのだろうか。
会場内は、写真撮影禁止で、ミュージアムショップにあった巨神兵の頭部の写真を撮ってきた。
地下にはミニチュアのオープンセットが用意されていて、ここは撮影自由にできる様になっていた。
「巨神兵東京に現わる」の中で、アパートの6畳間のシーンがあるけれど、そのオープンセットがあって、そこで、実際に写真を撮って撮影効果を見ることができてるようになっていた。
カメラで撮影すると実際の室の中のようになる。
オープンセットの回りは、撮影する人が取り囲んでいた。
再入場できないので、カメラは荷物に入れてロッカーに預けないように、会場内にはトイレが無いので入場前に済ませておくことが必須だ。
もう一度行きたいものだ。
ジブリの月刊誌「熱風」の7月号にこの特別展示の詳しい話が掲載されている。
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