ペコロスの母に会いに行く
雑誌の書評を読んで長崎に在住の岡野雄一さんの「ペコロスの母に会いに行く」を買った。
認知症の母親を介護する暮らしを淡々と柔らかい線で描いいる漫画で、作者の優しさが心に響く。きたきつねが作者のような立場になったとしたら、どうしただろうとも考えさせられた。
母親と作者のこどもの頃の思い出、父親の思い出が途中に挿入されていて、家族の背景もよくわかって、非常に不思議な世界が広がる。
痴呆症の母親の心の中は分からないだろうけれど、話す言葉を上手くとらえて心象風景を表現していて、上手い。
読み終わって、じわっと涙がでてきてしまった。
岡崎さんは昭和25年生まれ、亡くなったお父さんは大正8年生まれ、痴呆症で施設にいるお母さんは大正12年で、きたきつねとその両親とほぼ同じ。ただ、きたきつねの両親は残念なことに二人とも他界してしまっているし、暮らしてきた境遇は全く違うけれど、なんだか共感するところがある。
今、西日本新聞で連載中らしいので、また単行本になることだろう。映画化もきまったようだ。
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