里と林の環境史
シリーズ日本列島の三万五千年―人と自然の環境史の中の「里と林の環境史」 を読み終えた。
里山について自然科学と社会科学を融合させて、里山の歴史を非常にダイナミックに分析していて非常に得るものがあった。
ただ、京都にある総合地球環境学研究所のプロジェクトということで、近畿地方の里山に偏っているのが残念だった。でも、、歴史的に資料が残っているし、長い間バイオマスが過度に行われてきているという背景もあって、関東の里山の問題とも繋がっている。
里山の生物多様性があるのは、木材の伐採や、落ち葉の持ち出しなど、かく乱が定期的に行われているからのようだ。
この本で興味深かったのは、クヌギが古くから栽培利用されていて、種苗が非常に広く流通していたということで、そのため日本のクヌギは遺伝子の多様性が非常に小さいらしい。
それと、林縁の生物多様性に大きな役割を果たしていることも、良く理解できる。
里山での萌芽更新は、落葉広葉樹だけかと思ったけれど、スギでも行われていたこと、頭木更新といって地上高1m位で木を切る方法があったことは初めて知った。
頭木更新は、春先の芽吹きを鹿などに食べられないようにしたり、萌芽した木が太くなり収穫も容易になるということだ。
ものすごい校正落ちを見つけてしまった。文字変換ミスをそのまま見逃したようだ。
「mi られ」というのは「見られ」と打ったつもりで、miで確定したつもりで改行してしまったのだろう。
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