銀の匙 Silver Spoon 8
荒川弘さんの北海道の十勝の農業高校を舞台に札幌からやってきた八軒少年が農業の現実に出会いながら成長する物語の「銀の匙 Silver Spoon 8」が発売された。
8巻では、北海道の大規模化農家の倒産と後継者問題を非農業の若者の目を通して描いている。
規模拡大を進めるために大きな負債を抱えている農家は多く、病気や事故で経営者が働けなくなると、一気に返済が滞って、倒産になってしまう。
その借金も、サラリーマンの住宅ローンのレベルではないから、保証人になった仲間にも影響がでる。
きたきつねの北海道で水田と畑を作っていた親戚も数年前に倒産して連絡が取れなくなっている。
TPPは、北海道のような大規模農業を真っ先に消滅させるような気がする。規模の小さい農家は兼業や産直で生き残ることができるかもしれないけれど、規模が大きければ大きい程、輸入農産物との競合が避けられない。
食は、工業製品と違いなくてもなんとかできるものではない。食は命に直結するものだけれど、不足なく食事をしている私たちは足りなくなるとか、飢えるといったイメージはないだろう。
「銀の匙」の意味は、初めての食べ物を銀のスプーンで食べると一生食べるのに困らないということで、このコミックの深いテーマを示していて、今後の展開が楽しみだ。
そういえば7月11日からフジテレビの深夜に「銀の匙」のアニメの放映が始まったはずだ。早寝のきたきつねはまだ見ることができていない。
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