アニメ映画「かぐや姫の物語」
高畑勲監督の「かぐや姫の物語」は、是非見なければと思っていたが、タイミングが悪く今日になってしまった。
ストーリー以前にアニメの常識を変えた映像に驚くとともに、その高度さにうち震えてしまった。
セルアニメは、輪郭線がはっきり描かれ、背景も詳細に描かれているが、このアニメは絵コンテのままのようにみえる。
それがよく見ると、鉛筆や筆で描かれたような線が、一切ぶれることがなく全くそのままで連続した映像となっている。そのための、膨大で精緻な作業が想像できるからこそ、驚き、心が震えた。制作が遅れるはずである。
背景も、透明水彩の絵の様で、大きく省略されている。それが不思議と違和感が無い。これも計算し尽くされている。
ストーリーは、説話として知られている「竹取物語」だけれど、2時間17分というアニメ映画としては長編で、原作では重きを置かれていない都に出るまでのストーリーが長くなっているところが高畑監督の思い入れのようだ。
このアニメは大人向けで、何度も見るとジワジワと色々なことが判ってくる感じがする。宮崎駿監督の「風立ちぬも」同じだけれど、これまでのスタジオ・ジブリのアニメ作品群のように子供向けではないだろう。
ストーリーや背景については、スタジオ・ジブリの月刊誌「熱風」の特集「かぐや姫の物語」に詳しく解説されている。
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