思い出のマーニー×種田陽平展
午後は両国の江戸東京博物館で始まっている「思い出のマーニー×種田陽平展」をみることにした。
2010年の「借り暮らしのアリエッティ×種田陽平展」以来のジブリとのコラボ展になる。二次元のアニメの世界を3次元として見せるというのは面白い企画だと思う。
種田陽平さんは、「借り暮らしのアリエッティ」の時は一部だったが、「思い出のマーニー」で初めて美術の全般を担当したということだ。
種田陽平さんは、映画美術監督で多くの映画や舞台などの美術を多く手がけているので、今回の展示を見てアニメの世界を3次元の世界に変換するというよりも、3次元の世界を2次元に変換したという印象がある。
沼っち屋敷や漁師小屋の模型、マーニーの部屋やサイロ、倒木の橋などの実物大のセットができていて、美術ボードなどが額装してセットの中に飾ってあった。
サイロをでたところには、アニメに使われた大量の背景画のコピーが一面に貼ってあり、多分全部ではないと思うので、セル画の枚数も膨大だろうけれど、背景画も相当な枚数になっているのだろう。
映画を見ていて引っかかっていた部分が、サイロの展示を見てわかった。このサイロの場面だけは、ウソだった。というのは、原作では、風車小屋だったのを、北海道ということでサイロに変えたということだ。
だから、アニメではサイロの中に階段と踊り場があったが、風車小屋ならばの場面で、サイロではあり得ないことだ。
実際のサイロは、家畜の飼料にするデントコーンを細かく切ったものを詰め込んで、乳酸発酵する巨大な樽だから、がらんどうで何もない。だから原作に合わせるために無理やり階段と踊り場があることにしたのだろう。
今回の展示を見て、米林監督の想像力が不足していると書いたけれど、どうも種田陽平美術監督の問題だったような印象を感じた。
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