上野の博物館巡り
和名「まりも」が発表された植物學雜誌12巻137号に川上瀧彌の論文「釧路國阿寒地方採集記」(1898年)。
日本固有のマリモがシベリアなど各地に分散しているのがオオハクチョウらしい。
もちろん天然記念物マリモも展示されていた。NHKのマリモの秘密を解明した記録映像が良かった。
日本館1階に上がって、企画展「Flora Japonicaー日本人画家が描いた日本の植物ー」を見てきた。
昨年秋から今年の春まで英国のキュー王立植物園で開催された日本人画家が描いた植物画作品展の出展作品から選ばれた作品が展示されていた。
洗練された精細な植物画は見ているとゾクゾクするほど素晴らしいものだった。写真では表現することが難しいのがよく分かった。
写真では潰れてしまうテクスチャーや一つの画面に芽、花、実、葉の変化などを表現できるのは植物画しかない。これは鳥の図鑑にもいえることだ。
この他、1787年創刊の植物学の専門誌「カーティスのボタニカルマガジン」のイラストレーションの原画が展示されて。初期は銅版画に手彩色だったということだ。
東京国立博物館に移動して表慶館で開催中の特別展「フランス人間国宝展」を見てきた。
フランスの伝統工芸の最高技能者「メートル・ダール」の称号をもつ陶芸、革細工、べっ甲細工、金銀細工、壁紙、麦わら象嵌細工、真鍮細工、傘、扇、折り布、銅板彫刻、エンボス加工、紋章彫刻、羽根細工、ガラスの15人の匠の作品が展示されてた。
エントランスホールで、5つのディスプレーでそれぞれ三人の匠の制作風景のビデオ映像を見ることができた。ここまでは入場料がいらないので、これだけ見ても凄さが分かる。
制作過程もビデオ映像を見ていたし、工芸には興味があるので、非常に感動した。
入場者が少ないのでゆっくり詳細に見ることができた。
今回の目玉の平成館で開催中の特別展「運慶」を見てきた。興福寺の中金堂再建を記念した各地で行われている記念展示の一つになる。
今回も大混雑が予想されていたようだけれど、午前中の早い時間には行列していたようだけれど、11時過ぎには待たずに入場できた。
展示会場の動線が大きく変更になっていた。ずっと動線が悪いと思っていたので改善された。基本的にエスカレータを含めた平面配置の設計ミスだから仕方がない。
会場内は、人は多かったけれど頭の間から覗き込むような状態ではなく、じっくり見ることができた。
今回は近くまで見ることができる双眼鏡を持っていったので、細かな部分も良く見ることができて非常によかった。単眼鏡を持ってきているひとが多いけれど、双眼鏡の方が見やすい。
康慶、運慶を中心に国宝、重要文化財が一同に集められているので眼福は間違いない。何度も見ているものや初めて見るもなど大満足。後半は、快慶、湛慶など周辺の仏師の作品が展示されていた。
仏像を全て一人で制作したわけではなく、運慶・運慶工房の作品ということなのだろう。
本館14室には関連展示ということで、鎌倉時代の慶派仏師の仏像が展示されていた。
運慶の会場をでて帰ろうとしたら東洋館で「マジカルアジア」の展示があってそこでも仏像の展示があるというので、ちょっとだけ見てきた。カンボジアのアンコール時代のナーガ上のブッダ坐像は美しかった。
ちょっと興味を持ったのは清代の中国の四天王で、日本のものとの随分違っているところだ。 持国天 多聞天 広目天 増長天東京国立博物館を出て神保町の文房堂で明日まで開催中の「自然の生命を描く10人展」を見に行こうと思ったけれど、痛み止めが切れてしまったので帰ることにした。
ちょっと予定を詰め込み過ぎだったようだ。
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