ネイサン・エメリー「実は猫よりすごく賢い鳥の頭脳」
「実は猫よりすごく賢い鳥の頭脳」は2016年に発行されたNathan Emery "BIRD BRAIN A EXPLORATION OF AVIAN INTERIGENCE"の翻訳版になる。著者のネイサン・エメリーはロンドン大学で動物の洞察や想像力などについて研究をしている認知生物学者だ。
鳥頭ということばがあるように、本能だけで動いていて鳥は頭が悪いと考えられてきたけれど、1990年代から実験によって鳥にも未来の計画を立てたり、相手の心を読んだりといった複雑な認知能力があることなど、その汚名を覆す鳥たちの驚異的な能力を示す研究成果が次々と出されているということだ。
鳥は道具を使ったり、脳がマルチタスクが可能で意思決定は哺乳類より速い、方向感覚と記憶力が優れていたり、コミュニケーション能力や社会的学習ができたりといった鳥の知的能力を写真やイラストと共にわかりやすく紹介している。
全ての鳥類が当てはまる訳ではないけれど、チンパンジーなどの類人猿よりも賢いかもしれない。
野外で野鳥を観察していると、この本で紹介されている鳥は鳥頭ではないことが分かる場面に遭遇することが多いので納得できた。
字が小さいので老眼には厳しかったけれど、面白くて一気に読んでしまった。
図鑑をよく見ているとわかる鳥の和名と、訳文の表現方法の間違を見つけることができた。近い内に出版社のHPに説明を出すそうだ。ちょっと気分が良い。
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