東京国立博物館:二つの特別展
科博から東博に移動して同時開催の特別展「マルセル・デュシャンと日本美術」と特別展「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」の二つの展示を見てきた。
二つの特別展のセット券が2,000円であったのが嬉しい。普段の特別展は平成館の2階の展示場を二ヶ所使うのだけれど、それぞれ一ヶ所と規模が小さいからということらしい。
エスカレータを降りて直ぐの特別第1、2室が「マルセル・デュシャンと日本美術」展で会場を出ると特別第3、4室の「京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」展の入り口になるという会場設定になっていた。
デュシャン展は撮影禁止のマークが付いているもの以外は撮影可能だった。東博では非常に珍しい。
デュシャンは20世紀美術に決定的な影響を残した美術家で、伝統的な油彩からキュビズムを経て「レディ・メイド」と称する既製品による作品を創りだすなど、現代美術の先駆けとなる作品を発表している。
話題を呼んだ1917年に「ニューヨーク・アンデパンダン展」に出品した『噴水』という男子用小便器に「リチャード・マット (R. Mutt)」という署名をした作品。展示されていたのは1951年に作られたレプリカ。
「レディ・メイド」だからこそできる作品の特徴だろう。
「マルセル・デュシャンあるいはローズ・セラヴィの、または、による(トランクの中の箱)」主な作品のミニチュアが入っている作品。
最後の部屋では、デュシャンとの対比を通して日本美術の意味や価値観を見ようとする企画の東博所蔵の国宝・重文を含む日本美術品の展示があった。
フィラデルフィア美術館所蔵のデュシャンの作品152点が一気に見ることのできることは、現地でもないのではないだろうか。
快慶・定慶のみほとけ展では、大報恩寺と北野経王堂の仏像、経典などの寺宝38点が展示されていた。
快慶の十大弟子像と肥後定慶の六観音菩薩像は眼福だった。聖観音菩薩立像だけが撮影可能だった。
帰りに平成館の企画展示室の「松山・徳島の考古学」の展示を駆け足で見てきた。
愛媛県松山市の大渕遺跡出土の縄文晩期の籾圧痕土器の写真を撮ってきた。
本館11室は特別展に合わせて鎌倉時代の彫像と平安時代の一木彫像が展示されていた。鎌倉時代の重文「愛染明王坐像」は何時見ても美しい。
時間があったので、帰りに文具店廻りでもと思ったけれど、足の状態が限界だったので上野駅から帰ってきた。
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