決定版 日本のカモメ識別図鑑
これから冬のバードウォッチング・シーズンが始まるって、銚子・波崎の漁港には沢山のカモメ類が入ってくる。
シギ・チドリ類と同じようにカモメ類も種類が多く、齢によって羽根の状態が変わるので識別が難しい。
海外にはカモメの識別図鑑が各種出ているけれど、日本では詳細な識別図鑑がでていなかったけれど、「日本のカモメ識別図鑑」ようやく11月中旬に発売になる。
ジャパン・バード・フェスティバルの会場で発売前の「日本のカモメ識別図鑑」が先行発売されていたので買ってきた。
日本で見ることのできたり、見る可能性のあるカモメ類30種について写真と図版で詳細な識別に必要な情報が載っていて、今シーズン使うのが楽しみだ。
カモメの分類については、新しい情報によって変遷してきていているし、種名についても特に大型カモメについては違いがあって混乱しているのが現状だ。
現在使っている日本産鳥類目録第7版が絶対正しいということでもないし、IOC(International Ornithological Congress)の鳥類リストとも違いがある。
「日本のカモメ識別図鑑」ではIOCの鳥類リストに準拠して、新たな和名を提案しているので、学術的に確定したものではないから今後も変わる可能性はあるようだ。
世界の鳥類9946種類の学名、英名、和名をリストについては世界鳥類名勉強会が公開している。
といっても現状では日本語でカモメの識別図鑑は「日本のカモメ識別図鑑」が決定版と考えてもいいだろう。
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コメント
きたきつねさん,こんにちは.
IOC Listに和名を付けた,特にセグロカモメ類に,という意味で興味深いです.
私が公開しているIOC Listの和名のうち,カモメ科の鳥に私が推奨和名として提案しているのは以下の4種です.
(1) Larus vegae, Vega Gull, ベガカモメ | シベリアセグロカモメ
(2) Larus michahellis, Yellow-legged Gull, ニシキアシセグロカモメ
(3) Gelochelidon macrotarsa, Australian Tern, オーストラリアハシブトアジサシ
(4) Thalasseus acuflavidus, Cabot's Tern, アメリカアジサシ
特に(1)と(2)に関しては,セグロカモメの分類そのものが混乱しており,流動的なので,和名の確定は難しいと思います.
ちなみに,(1)は日本鳥類目録では「L. argentatus vegae, 亜種セグロカモメ」とされているものです.
IOC Listでは(1)は L. vegae mongolicus を亜種として含むと注記が付いてます.ところがこの L. v. mongolicus は日本鳥類目録では L. cachinnans mongolicus, 亜種キアシセグロカモメとされており,別種の亜種です.こんな具合なので,セグロカモメ類は種や亜種の確定が流動的です.
詳しくは IOC List のマスターリストと,それに合わせて私が編集しているRefsort用の辞書ファイルをご覧ください.
投稿: 俊(とし) | 2019/11/06 09:23
俊さん
ありがとうございます。
IOCと日本鳥学会のフレは今後どうなるのか気になるところです。
投稿: きたきつね | 2019/11/07 12:45