川上 和人「鶏肉以上、鳥学未満」
書店で川上 和人さんの「鶏肉以上、鳥学未満」があったのでパラパラと見ていたら面白そうなのでを読んでみた。
身近にある鶏肉を材料にして鳥の体と生態に迫ろうという面白い内容だ。
鶏肉はもも、胸、ササミ、手羽など各部位で売られているけれど、考えてみれば一番身近で触ったり解剖することのできる鳥類の鶏なわけだ。
鳥として見ると、翼(手羽)、脚(モモ肉)、腹(ムネ肉)と背(ササミ)、内蔵(砂肝、ハツ)、卵、骨格(ガラ)として簡単に手に入る。頭と他の内臓や脚先(モミジ)は犬の餌の缶詰で買うことができるだろう。
鶏肉の各部位を取り上げて、鶏が鳥類として飛ぶために最適化されているかを細かく解説している。
きたきつねのような素人には「鳥の骨格標本図鑑」よりも具体的に理解できた。意識して鶏肉を食べることができるような気がする。
「鳥の骨探」によれば、ケンタッキーフライドチキンだと理論的には5ピースで半身の骨格標本ができるらしいけれど、この本にはそんなことは書いていない。
鳥の胆汁が人の黄色いビルビリンではなく、緑色のビルべリジンというのは知らなかった。砂肝を調理している時に緑色の部分があったりするけれど、異常でないというので安心した。
それにしてもガンダムなどの一般人にはわからない部分を取り除けばもっと薄い本になったようだ。理解不能の部分にもなにか隠れているのかもしれないが、きたきつねには読み取れなかった。
岩波書店の校閲は結構厳しいと思っていたけれど、理科系だと見逃しがでるのだろうか。
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