浅間茂:虫や鳥が見ている世界—紫外線写真が明かす生存戦略
モンシロチョウはオスとメスで紫外線の反射吸収が違っていてオスは紫外線で見ると黒っぽっく、メスは白く見えるということは何かで読んで知っていて、昆虫は紫外線が見えるらしいということは知識としてある。
ただそれは知識としてあるだけで実際に検証したわけではない。
中公新書のカタログが届いたので漠然と見ていたら、浅間茂「虫や鳥が見ている世界—紫外線写真が明かす生存戦略」の解説に引っかかった。紫外線が見えるのは昆虫ばかりかと思っていたら、鳥も紫外線が見えるらしい。
バードウォッチャーとしては、鳥に関係するなら読んでおかなければということで早速入手した。
ヒトなどの大型の類人猿は「赤・緑・青」の光の3原色、犬などの大部分の哺乳類は「赤・青」の2原色、鳥や昆虫は「赤・緑・青・紫外線」の4原色を見分けることができるという。
ヒトが見ている世界は犬や猫よりも色彩豊かな世界を見ていることは想像できるけれど、鳥や昆虫は人が見えない紫外線で見えている世界は想像できない。
紫外線の波長によって違った色(?)が見えてるのだろうか。
さて本書では、紫外線が写るカメラの画像を使ってヒトが見える画像として見えるようにして、解説してくれている。
紫外線で見ると、三原色で見えるものと違ったパターンの模様がが見えてきて、モンシロチョウに見られるようにお互いに種や雌雄を識別しているようだ。
昆虫が受粉を担ってくれる植物も花などに紫外線で見えるシグナルを仕込んでいたりしているようだ。
ハシブトガラスは紫外線でお互いに個体識別できるようだ。
紫外線を反射したり、吸収したりすることで、仲間を識別したり、外敵から身を守ったり、効率よく生殖を達成するなど進化してきているらしい。
コウモリの出す超音波をヒトの可聴域に変換する「バット・ディテクター」というのがあるけれど、紫外線を可視光に変換する「UVビューワー」が作ることができれば、もっと色々なことが分かってくるのだろう。
何だか近い将来に売られるような気がする。
本書とは直接関係ない余談なのだけれど、昔沖縄県の宮古島に行ったときに、サトウキビの害虫のアオドウガネの駆除にブラックライトを使っていたけれど紫外線LEDに変えてから捕獲率が上がったという話を現地で聞いた。効果のある紫外線の波長のLEDを使っているので、ブラックライトの数倍捕れるとのことだった。
紫外線LEDは、365nmから405nm辺りまで10nm刻みで市販されていて手に入るので、夜間採取している虫屋さんの間では、波長と虫の種類の関係が分かってきているみたいだ。
375nmの紫外線はガや甲虫の多くの種類が反応するとか、はマイマイガは380nmとたいった具合らしい。
100円ショップのランプを改造したトラップまで売っているらしい。
ここ数年コンビニの照明に虫が集まらなくなってしまったのは、省エネルギーで店内外の照明器具をLEDに変えたことで、従来の蛍光灯と違い紫外線がでなくなったからというのは有名な話だ。。
コンビニの夏の定番で、入り口から少し離れたところに下がっていたブラックライトを使った捕殺機に虫がかかってバチと放電する音が懐かしい。
目次
はじめに
序章 虫や鳥が見る色の不思議
第1章 求愛・給餌に役立てる戦略
第2章 捕食者から逃れる戦略
第3章 虫・鳥を誘う戦略
第4章 紫外線から身を守る戦略
終章 紫外線写真から見える生存戦略
あとがき
引用文献
索引
| 固定リンク | 0


コメント