筒井康隆「老人の美学」
高校生から読んできた筒井康隆さんが断筆した頃から読まなくなってしまっていたが、最近また小説を読み始めた。
八十歳の半ばを過ぎてもパワーが変わらず既成概念を覆す本を書き続けているのには驚く。
身体は老人になっても頭脳は若いから、その筒井さんが書いた「老人の美学」はどんなものか読んでみた。
身体の老化によって醜くなりがちな生活態度や立ち居振る舞いをどうするかについてが中心になって参考になることが沢山ある。
きたきつねはこの本で諌められているところは全く同感で実践しているので、再確認の意味で安心できた。
特に、昔の仕事上の知人に連絡したり、職場の回りをうろつくのは厳に避けてきたのも正しいことと再確認できたのもよかった。
それにしてもちょいワルにならなくても魅力的になる方法はいくらでもあるような気がする。
といっても老人になってしまってから読む本ではないことは明らかだった。
作家で俳優の筒井康隆老がこれから定年退職を迎える人たちに送るちゃんとした老人になるために書いた入門書なので、定年が近い人達に読んでもらえると良いだろう。
目次
はじめに
一 人生の時代区分と老人年齢の設定
二 「敵」の主人公・渡辺儀助の美学
三 グランパ・五代謙三の生き方と死
四 老人が昔の知人と話したがる理由
五 孤独に耐えることは老人の美学か
六 ちょいワル老人はなぜか魅力的だ
七 ご隠居の知恵「愛のひだりがわ」
八 美しい老後は伴侶との融和にあり
九 老人が老人であることは悪なのか
十 「老人は汚い」といわれないために
十一 安楽死など老人の死にかたの問題
十二 老人が死を美的に迎え入れる方法
後記
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