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2022/12/23

雪国と関東の冬の寒さの違い

SNSで関東から北海道に転居した人が、北海道は気温が低いのに気温の高い関東よりも暖かく感じるといいうのが話題になっていた。

きたきつねも昔北海道の札幌から関東に就職した時に、冬の寒さの違いを体感しているのでよく分かる。

冬の季節風で日本列島にもたらされる日本海の湿った空気が、北陸地域に雪を降らせ、乾燥した空気が太平洋側に流れてくるので、湿度が低くなる。これが関東ではからっ風と呼ばれている。

そのため湿度の低い関東では、皮膚から水分が蒸発することで気化熱で熱が奪われて体感気温が低くなるのに対して、北海道だけでなく雪国では空気中の湿度が100%に近いので、水分の蒸発量が少ないので体感気温は下がらないからだ。

雪国は雪で空気中の湿度が高くなるので、皮膚から水分が奪われにくいので、カサカサになりにくいけれど、太平洋側の地域は乾燥しているので皮膚がカサカサして、手足はあかぎれになってしまう。

きたきつねは、関東で暮らすまでは北海道にいたのだけれど、あかぎれになったことはなかった。今は指先が割れて痛い思いをしている。

皮膚からの水分の蒸発だけれど、皮膚の表面は湿度100%に近く、外気の湿度との差があればあるほど、水分は蒸気として移動する量は多くなる。逆に湿度の差がなければ水分は移動しない。

着衣があっても、水蒸気からみると繊維の隙間はザルのようなもので、透湿性のないフィルムを使わない限り、抜けていってしまう。

水1gが1度温度を下げるのに必要なエネルギーは1calだけれど、36度の水1gが蒸発するのに必要なエネルギーは約580calと非常に大きい。

そのため皮膚の表面で水は液体だけれど、蒸発する時に気化熱を奪われるので、皮膚表面温度が急激に低くなる。

もうひとつ、空気が含むことのできる水分は気温が高いほど多く、気温が低いほど少なくなるので、同じ湿度でも空気中の水分の量は違っていて、湿度100%に相当する飽和水蒸気量は0度で1立方メートル当たり4.85gだけれど、10度では9.41gと2倍近くなる。

温度が高くなるほど、蒸発量は多くなって気化熱も増えるから、気温の高い関東の方が気温の低い雪国よりも体感気温は低くなるということになる。

体感気温が低くなるだけでなく、皮膚が乾燥してカサカサになるし、あかぎれも切れることになる。

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