茨城県自然博物館:企画展示「うんち無しでは生きられない! -あなたの知らない自然のしくみ-」
今日は「箸の日」、「橋の日」、「ビアホールの日」、「ゆかたの日」。
昼過ぎの日差しと空気の暑さで嫌な予感がしていたけれど、やはり気温が38℃近くまで上昇し猛暑日だった。
屋外で仕事をしている人は大変だろう。
まごぎつねと一緒に朝から坂東市の茨城県自然博物館で開催中の企画展示「うんち無しでは生きられない! -あなたの知らない自然のしくみ-」を見に行ってきた。
10年くらい前に幕張メッセで「からだのひみつ大冒険DX」というイベントで体の中の汚いものを取り上げたイベントがあったけれど、今回の企画展はズバリ「うんち」をテーマにした非常にユニークな展示になっている。
他の博物館ではこれだけの規模でうんちを取り上げたものは無かったのではないだろうか。
生き物にとって体内から老廃物を出すことは生命維持にとって非常に大切なものだから真正面から取り組んだのことは称賛に値するだろう。
会場の中は哺乳動物、鳥類、魚類、昆虫などの生き物の出す便を、生成、機能、利用などの色々な側面から取り上げていて、子どもによく分かる内容となっていた。
色々な生き物のだした凍結乾燥した本物の便とレプリカがたくさん並んでいるけれど、不潔な感じは全く無かった。
食べ物で糞の形が変わってきたり、見た目にも違いがでてくることが理解できる。
入り口には大きなツキノワグマの糞とアカネズミ、オオセンチコガネの拡大模型が出迎えてくれた。
タヌキなどの剥製が糞をしているスタイルになっているのが良かった。
鳥類を最終宿主にする寄生虫のロイコクロリディウムがカタツムリの一種のオカモノアラガイを中間宿主として、カタツムリを操って触覚に寄生してイモムシに擬態して鳥に食べさせて、鳥に取り込まれるという説明は珍しいと思う。
色々な木の実や植物を食べるツキノワグマの糞が並んでいて、多様なエサで糞が違ってくるのが分かる。
哺乳類の消化管が展示されていて、タヌキ、アライグマ、テンの食性による消化管の違いがよくわかった。
ライオン、シマウマ、トラなどの哺乳動物と糞の比較もユニークだ。
パンダの便は初めて見た。
トビ、フクロウ、ハクチョウなどの鳥類の糞の比較もなかなか見る機会はないだろう。
伊丹市昆虫館の昆虫の糞のコレクションで、これも見ておいて損はないだろう。
水生動物の糞もなかなか珍しい。ヤドカリが糞を外に飛ばす映像はなかなか見られないのではなかろうか。
恐竜の糞の化石は見たことがあるけれど、体の中に糞がある化石も初めて見た。
最後は糞の利用で、竜涎香、ジャコウネコの糞から取り出したコーヒー、海鳥の糞でできたリン鉱石、堆肥など肥料の説明、人糞の肥担桶(こえたご)を担いでみる体験コーナーがあった。
江戸から東京での運河や鉄道を使った人糞の流通に関する展示があると面白かったかもしれない。
最後にあったトイレットペーパーとして使われたフキ、クズオニグルミなどの葉っぱの展示は、現代人には未知の世界なので理解できないだろうけれど大切な展示だと思った。
| 固定リンク
コメント