北海道民の先祖へのこだわりのなさ
今日は「関西国際空港開港記念日」、「クラシック音楽の日」、「クシの日」、「世界老人給食の日」。
2日連続で最高気温が28℃台で最低気温も22℃台とエアコンなしで一日過ごせた。夜は熱帯夜に慣れた体には肌寒く感じるほどだった。
今年の1月に直木賞を受賞した川崎秋子さんが読書情報誌「青春と読書」に8月まで連載していた家族の歴史をまとめた「父が牛飼いになった理由」の中で、この随想がファミリーヒストリーに関するものなのに川崎さんや周りの人にあまり先祖へのこだわりがないということを書かれていた。
川崎さんの家族は出身地は本州だけれど、祖父の代にいろいろな事情で戦前に満州に行き、戦後満州から引き上げて故郷に戻らずに北海道に入植して酪農につかれている。
川崎さんは先祖へのこだわりがないことについて「明治期以降に移住してきた人が多いという北海道の歴史的背景と単純に地域の気風が関係するもので、これ自体別に善でも悪でもありはしない」と分析している。
それを読んで、確かにきたきつねも曽祖父くらいまでは関心があるけれど、それ以上の先祖には興味があまりわかないので、共感がある。
自分史をまとまるために年表を作ってみた時も北海道の開拓地に曽祖父が入植してからについては気になって調べてみたが、曽祖父の出身地のことについては調べようという気にならなかった。
北海道の開拓民にルーツを持つひとの多くは、事情があって出身地を捨ててきているので、先祖伝来の地に暮らしたり、戻ることのできたりする人たちとは先祖への気持ちが違うのは間違いないだろう。
同じように明治期から戦後まで世界各地に移民した人々にとっても、いろいろな事情があって故郷から離れてしまっているので、先祖へのお思いは同じではないだろうか。
戻る場所は、今自分が暮らしている場所しかないという気分があるのかもしれない。
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