坂上暁仁:神田ごくら町職人ばなし(一)
きたきつねは昔職人に憧れていて、成れなかったけれど職人の話は好きで、本やテレビにモノづくりが扱われていると見てしまう。
漫画「神田ごくら町職人ばなし」は雑誌連載は知らなかったけれど、ひょんなことから見つけて入手した。人気で増刷が続いているようだ。
江戸の町を舞台に桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官の五つの仕事を扱っていて、黙々と手を動かしものを作る職人の姿を描いている。
畳刺し以外は全て女性の職人が主人公という、江戸時代を背景とすればちょっと珍しいのかなという印象があるけれど、仕事への向き合う真摯な姿勢が描かれている。
ストーリーは見どころがしっかりあるのはもちろん、それ以上に職人の扱うそれぞれの仕事のプロセスがきちんと描かれているのも嬉しい。
職人を扱った漫画としては三十年近く前に村野守美「職人尽百景」三巻があるけれど、「神田ごくら町職人ばなし」劇画調の職人の厳しさを表現しているが、こちらはコミック風で人情話になっている。
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