2021/12/26

とりのなん子:とりぱん29

地方都市での四季折々の生活と自然をテーマにしたコミックのとりぱんも29巻にもなった。

鳥の話しだとつい買ってしまうけれど、毎回楽しく読むことになっている。

四季は巡って自然は同じようだけれど、毎年違っているし、それを見る作者も変わって来ているので種は尽きないだろう。

経験値があがってきて、非常に細かなことにも気がつくようになってきているのは嬉しい。

ただ、16年以上も鳥を見ているのに、ディフォルメをするにしても特徴を分かるようにできるはずなのに気になるところが時々あるのは残念だった。

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2021/12/14

齋藤幸平「人新世の『資本論』」

イギリスのグラスゴーでCOP26が結局何も決まらなかったと同じ状態で不完全燃焼で終了した。現在の人類が生きている世界は相当な厳しい状況にならなければ何も動かないということになるようだ。

地球温暖化問題は、調整とか合意といった政治の世界で解決できる問題ではなくなっているからこれからどうなるか、どうするかは全くわからない。

人新世の「資本論」は昨年の9月に発刊されて直ぐに読んでいたが、認識は正しいような気がするのだけれどなんだかもやもやしたものが残っていて、今日まで来てしまった。

人新世というのは、「人類の活動が地球の表面を覆い尽くして生態系や気候に影響を及ぼすようになった時代」とノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェンが造った言葉で、ちょっと大げさな気がする用語だ。

たかだか百年単位の人類の活動が漸新世や更新世のような地質時代に相当するくらい地球に与えた影響が大きいとかといえばそうではない。人類が自らの活動で現生の生物全体の生存を脅かすようになってしまったということで手前勝手なことに過ぎず「時代」くらいのくくりでしかない。

46億年の地球の歴史の中では小さな絶滅の瞬間でしかないし、地球という惑星にとっては、過去の変化に比べれば現在の気候変動問題といわれる状態は問題にもならないことだ。

何億年もかけて光合成で蓄えた炭素を一気に開放すれば、もとの大気中に高濃度の二酸化炭素があった時代に戻るに決まっている。

キャッチーな言葉を選んだのだろうけれど、この本のタイトルにするにはそぐわないような気がしている。

この人新世とマルクスの資本論がどうつながるかわからなかった。ただ、地球環境問題は資本主義では解決できないというのが、本書の趣旨のようだ。

本書では資本主義の限界について述べられているけれど、著者の切り口と違うけれど経済学者の水野和夫が2014年に書いた「資本主義の終焉と歴史の危機」(集英社新書)や生物学者の本川達雄の「生物学的文明論」(新潮新書)でも生物学的なアプローチで明らかだろう。

資本主義は、著者が外部化としている「安い原料と労働力」と「無限の消費」というサイクルが切れた途端に崩壊するシステムで、安い原料の中に環境も入っているから環境が極めて大きなコストになってしまったということになる。

著者がいっているようにSDGsも新しい需要を創出するためのものでしかないのは明らかだろう。

しかし、著者は地球環境問題の解決はマルクス主義でコモンズを広げていくことで解決できるように考えているようだけれど、強欲な資本主義と渡り合えるのだろうか。

著者の現状のままでは行き着くしかない終末社会をイメージできていないような気がする。
基本的に現状のままで持続させるということを前提に考えているのではないだろうか。

地球環境問題は1972年のローマクラブの報告書「成長の限界」の予想の通りになりつつあって、根本原因は人類の環境と資源の浪費であり、解決方法は使わないという選択しかない。

そのことが判っていながら半世紀を省エネルギー、脱炭素などといった小手先の対応だけで過ごしてきてしまっていて、もう後戻りできない状況になってしまったのではないか。
自然現象は指数関数的に変化するので、現在の温暖化のスピードは近い将来急速になってくることは想定しなければならないだろう。目に見える減少は地球の規模の効果で遅れているだけだ。

それに対する現在の社会の対応は、都市への人口集中を止めず、電気自動車や再生エネルギーなどの新しい産業を創るなど、ウロウロしているだけで終末への覚悟はない。

地球は現状の人間活動を許容するほどの人類にとって好適な環境を維持するほどの容量がないということだ。

人新世という大風呂敷を広げるなら、著者にはこのままでならの行き着く先を明示して、より具体的な社会の対応方向を示してほしかった。

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2021/11/13

決定版 日本のカモ識別図鑑

今日、鳥友から氏原巨雄・氏原道昭著「決定版 日本のカモ識別図鑑」をプレゼントしてもらった。

欲しいと思っていたが、色々と必要なものがあるので、優先度を考えて買わずにいたので、非常に嬉しい。

日本で見られるカモ、見られる可能性のあるカモが網羅されていて、全羽衣をイラストと写真で解説している。

もう一つの特徴は、他のカモ同士のハイブリッドやメスの雄化個体についての解説は新しい試みだ。

コケワタガモ類やケワタガモ類は見たことがないので実際に見たいものだ。

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2021/08/02

黒沢令子、江田真毅:時間軸で探る日本の鳥 復元生態学の礎

鳥と書いてあると直ぐに反応する悪い癖で面白そうな書名だったので読んでみることにした。

これまでの鳥関係の書籍では生態とか分類に関係するものが多く、民俗学的なものもあるけれど自然科学系の切り口ではなく社会科学系に偏ったりしているるような気がしていた。
本書は日本列島における鳥類の歴史と未来を古生物学、分子生物学、考古学、民俗学、鳥類学、保全生態学から多角的に読み取る方法もあることを知るための入門書のようだ。

まごぎつねが一時恐竜が大好きで博物館の化石を見に付き合っていて、鳥の化石も見ることがあったけれど、始祖鳥とか羽の痕跡とか程度でしかなかった。

ところが日本国内でも鳥の化石が意外なほど多く産出していて、その研究が行われているとは知らなかった。

日本産野鳥の目録は改訂作業が進んでいるようだけれど、世界的に遺伝情報による分類の変更が進んでいてIOCと日本鳥学会の目録の違いが気になっている。

遺伝情報からみた日本産鳥類の歴史は興味深かった。本書とは関係ないが、日本鳥学会は科学の世界で自縄自縛の状態のようだから、実務的なバードウォッチング向けの鳥類目録が必要なのかもしれない

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2021/07/28

浅間茂:虫や鳥が見ている世界—紫外線写真が明かす生存戦略

モンシロチョウはオスとメスで紫外線の反射吸収が違っていてオスは紫外線で見ると黒っぽっく、メスは白く見えるということは何かで読んで知っていて、昆虫は紫外線が見えるらしいということは知識としてある。

ただそれは知識としてあるだけで実際に検証したわけではない。

中公新書のカタログが届いたので漠然と見ていたら、本書の解説に引っかかった。紫外線が見えるのは昆虫ばかりかと思っていたら、鳥も紫外線が見えるらしい。

バードウォッチャーとしては、鳥に関係するなら読んでおかなければということで早速入手した。

ヒトなどの大型の類人猿は「赤・緑・青」の光の3原色、犬などの大部分の哺乳類は「赤・青」の2原色、鳥や昆虫は「赤・緑・青・紫外線」の4原色を見分けることができるという。

ヒトが見ている世界は犬や猫よりも色彩豊かな世界を見ていることは想像できるけれど、鳥や昆虫は人が見えない紫外線で見えている世界は想像できない。

紫外線の波長によって違った色(?)が見えてるのだろうか。

さて本書では、紫外線が写るカメラの画像を使ってヒトが見える画像として見えるようにして、解説してくれている。

紫外線で見ると、三原色で見えるものと違ったパターンの模様がが見えてきて、モンシロチョウに見られるようにお互いに種や雌雄を識別しているようだ。

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2021/07/20

竹村公太郎:江戸の秘密

地形で歴史が説明できるという竹村公太郎さんの最新の「江戸の秘密」(集英社刊)は副題に「広重の錦絵と地形で読み解く」とあるように、歌川広重の錦絵から社会や地形の成り立ちを読み取る内容の本だ。

この本は集英社の月刊誌「青春と読書」に2017年7月から2018年12月まで18回連載された「広重の絵で読み解く 江戸の秘密」を改稿したものだ。

連載時から興味を持って読んでいて、異論もあるけれどなるほどと思わせるところが多かった。

歌川広重の「東海道五十三次」、「江戸名所百景」などの錦絵を現代の写真に相当するのではないかというアイデアで、絵の中に描き込まれた情報を治水を専門とする土木技術者がどう読み解いたかというのが面白いところだ。

多くのテーマは著者が以前から書かれてきた内容と重複する部分もあるけれど、それをさらに補強する内容にもなっている。

内容を読んでいるうちに広重は、ただ美しい絵を描いていたのではなく事実を記録していたのではないかと思うようになった。

小名木川を軍隊を移動するためのアウトバーンという解釈だけれど、きたきつねはそれだけではなく低湿地を干拓するための排水路だったと考えていて、小名木川ができた頃には海の底だったところに並行して仙台堀川ができていることからわかると思う。

この本で分かったのは、千葉の船橋、世田谷の千歳船橋の地名が船をつないで板を渡した仮設橋に由来するということだ。

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2021/07/19

とりのなんこ:とりぱん 28

「とりぱん 28」が5月に発刊されていたことに気が付かずに慌てて書店に行った。

ところが書店に滅多に行かなものだから、最初っからどの棚にあるのか分からず、徘徊したあげく書店員に聞くことになってしまった。

先日の「へんなもんみっけ6」を買いに行った時と同じではないか。全く反省がない。

散歩の歩数は増えたけれど、最初から聞けばよかった。聞くと以前の棚の場所から移ったらしい。

作者のとりのなんこさんもモーニングに連載開始から16年も鳥を中心とした自然を日頃から観察しているので、いろいろなことやものが見えるようになってきている。

盛岡市と思われる東北の街の民家の庭で野鳥への冬期の給餌から始まったギャグ漫画風の4コマ漫画が、四季折々の作者と自然とのふれあいにまで広がってきている。

とりぱんを通じで野鳥好きや関心をもつ人たちが増えてきているのではないかと想像している。

コミックスを全巻買うことは少ないのだけれど、「とりぱん」と「へんなものみっけ」は今のところ外せない。

過去にはちばあきおの「プレーボール」と「キャプテン」、石川雅之の「もやしもん」、荒川弘の「銀の匙」くらいしか全巻を揃えていない。

 

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2021/06/19

古事記

1月の入院中に福永武彦さんの現代語訳の古事記を読んでいた。日本の歴史の中で文字で読める最初のものだということで一度は読んでみようと読んでから、何度目かになる。内容については多くの碩学が研究していてきたきつねの踏み込む余地はないから、古代の雰囲気を感じるために興味本位で読んでいる。

古事記は、文字のない時代から口伝えで伝わってきた天皇と各地の豪族達の存在の正当性を証明するためのものがたりで、都合の良いように創られていると思うけれど、なんとなく本当のことも混じっているようだという印象がする。

古代には天皇家のイベントで古事記の内容を語り部が多くの人々を前に朗誦したのだろうか。

原文は読んでもさっぱり分からないから現代語訳はありがたい。福武さんの訳は評判がいいようだ。

主役は変わるけれど同じ話が繰り返し続き、所々にエピソードが人の名前が当時の呼び方なのでなかなか頭に入ってこない。

天皇を始めとして出現する人々の名前は、現在知られている神武、綏靖といった名前ではなく、当時呼ばれていた名前なのでよくわからない。

東京国立博物館の考古室に展示されている江田船山古墳出土の国宝の鉄剣に象嵌された「獲□□□鹵大王」は、古事記では「大長谷若建命」と呼ばれた雄略天皇ではないかというのを思い出した。

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2021/06/14

早良朋「へんなもんみっけ!6」

毎回買っているコミックスの「へんなもんみっけ!6」を近所の書店に買いにいってきた。

本は通販ばかりなので、書店の売っている棚の位置が分からないのでぐるぐる回ってしまった。

有名なコミックは平積みされていて直ぐに分かるのだけれど、「へんなもんみっけ!6」は棚の中に1冊ぽつんと入っていたのでなかなか見つけられなかったようだ。

それにしても書店のコミックスの棚の面積は相当なもので、本が売れているだけでなく、漫画を描く漫画家がいるということになる。

中でも売れている漫画家の仕事量はすごいのだろう。

「へんなもんみっけ!」の舞台は架空の地方の市立博物館を舞台にして、主人公は学芸員ではなく一般職の総務係の職員が博物館での仕事を通して成長していく物語なのだけれど、この博物館が市立にしてはとんでもない設備と学芸員が揃っているのだ。

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2021/02/02

大田黒摩利「つばきレストラン」

福音館書店から発行されている幼児向け月間誌「ちいさなかがくのとも」の2014年2月号「つばきレストラン」が先月の初旬に単行本として発行された。

大田黒摩利さんの「つばきレストラン」は、ツバキの花の蜜を吸いにくる小鳥たちの生態を取り上げた本で、ツバキの花はメジロやヒヨドリに花粉を運んでもらうための仕掛けがあることや、花びらにメジロが止まるので爪の跡が残ることなど大人が読んでも十分以上に勉強になる内容になっている。

この時期、顔の周りに黄色い花粉を付けているメジロやヒヨドリをみたらつばきレストランに行ってきたに違いない。

「ちいさなかがくのとも」は、定期購読者向けなので面白いと思っても1冊だけ購入するのはハードルが高いので、買うのを断念しているひとも多いようだ。単行本になれば書店でもネットでも購入することができるのでありがたい。

「ちいさなかがくのとも」は内容豊富で、正しい知識を伝える内容になっていて、幼児だけでなく小学生にも読ませたいものばかりだ。

本に興味を持ち始めたまごぎつねの去年の誕生日プレゼントは「ちいさなかがくのとも」にした。手元にある「つばきレストラン」も送っておこう。

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